症例発表:ホルモン・リンパからのアプローチ
52歳 女性
平成3年 甲状腺ガンにより甲状腺、副甲状腺全摘出
平成6年 子宮筋腫全摘出
平成14年 転倒し左側頭部、硬膜下血腫で血腫を抜き取る手術をしています。
この頭部の手術をした後、仕事に行ってから痺れが出るようになりました。
常時手足の1~5指の指、全部がしびれている。足は足底部から末梢部にかけて、ピリピリするような感覚もあります。頚部の痛み、鈍痛も常時あります。
整形で牽引をした時に口のまわり全体がしびれ、鼻の頭全体がしびれました。
整骨院でマッサージをした後に口唇のしびれが出現しました。
整形で半年位前にXP(今年の5月の時点で)異常なし、脳外科でも異常なし、MRIは頚椎、頭部もとってもらっています。
整形では、手術の影響はないといわれています。
手術の影響で更年期が早くなるかもしれないといわれています。
のぼせ感があり(カーッと熱くなるような感覚)眼も充血し、またドライアイのような症状もあるといっていました。
治療法
1)干渉波を頚~足底、足背まで全身に。
2)超音波と低周波の合わせた治療機で毛様体脊髄中枢をねらう
これをねらう事により、節前性交感線維は、脊髄の頸椎~胸椎の側角(毛様体脊髄中枢)におこり、上頚神経節で節後線維に切り替えられる。この節後線維は内頚動脈神経叢の中を上行し、交感根として、毛様体神経節へいく。
上頚神経節は、内頚動脈と外頚動脈のまわりでそれぞれ神経叢を作っている。
内頚動脈神経叢からでる枝は髄膜、眼および頭の領域の腺へ行く。
3)頚部後頭神経を中心に腰部までアクロトーンの筋肉チャンネルで、軽くマッサージ、大後頭神経、小後頭神経に、上頚神経節へ、ペンプローブで押し込んでいきます。
4)頸椎3番~仙椎4番までペンプローブ、MIX(アクロトーンと超音波を合わせたもの)の超音波導子で押し込んでおきます。運動神経系と自律神経をしっかり押さえて、全体の内臓系の働きをよくしておきます。
(いろいろな症状が見られ、あっちこっちが痛かったりしていたので)
肩甲上神経と肩甲骨下部までMIX(アクロトーンと超音波を合わせたもの)で押さえます。
5)アクロトーンの神経チャンネルで腰部~足先までの神経とリンパの流れの改善を図ります。
6)MIX(アクロトーンと超音波を合わせたもの)で上記と同じように。
7)仰臥位で上部頚椎部 迷走神経、深部頚神経叢(上頚神経節へ枝を出す)、星状神経節の処置。
8)三叉神経、滑車上、滑車下神経(鼻背部痛など)鼻の周囲の神経の流れをよくします(呼吸を楽にさせ、酸素の取り組みを楽にさせる)。
9)神経の流れを良くしたので、今度はそれを帰す為に運動が必要になってくる。
これをやる事によってリンパ系の流れも良くなる(手足の運動や全身の運動、体操など)。
10)立位・歩行、腰のしびれなどは、今まで痛みであまり動かなかった為体全体や、筋肉、脊椎が弱くなってしまっている。足もフラフラしているよう。
動かないので余計弱々しくなってしまう。体操をしっかりおこなうこと。
11)交感神経の流れを良くするため冷えにも十分に注意すること。
経 過
日常生活の注意や治療で、だいぶ回復しました。
5月10日頃より3回、5月下旬6回、治療しました。定期的に腫瘍マーカーとプロゲステロン(黄体ホルモン)の数値を測ってもらいました。
9月下旬に左の第2、4指(手)の第2関節と右の第2指第2関節の痛み、腫脹がひどくなり、青森の整形の診療を受けたところリウマチではないかという事でした。
(現在9月下旬にも治療にみられ、体全体の調子も良くなリ痺れもほとんど取れて、手指も痛みはとれて、「むずがゆくなっている」ということです)
考 察
まず、血液の問題ですが、食べる物の問題を考え(体がアルカリ性か、中性か酸性か)この患者さんは特に甘い物が好きで脂質物もかなり多かったです。
そのため体に残留物として残ってしまい細胞がいじめられたようです。
また体を動かすことが少なく、心臓などの動きも出来ないため血流のかえりが悪くなる。その為に運動などをさせてあげる。
以前、甲状腺ガンがあり年齢的にも血中などに、黄体ホルモンなどや運動器系のはたらき(頭の伝達機能が悪くなっているので)が悪くなってきているので全身の症状としてでてきたという事です。
(一部抜粋)