症例発表:脊髄神経が体に及ぼす作用とその処置法
56歳 男性
165cm 60kg(最近太ってしまったそうです)立ち仕事
受傷理由 立ち仕事で急に腰が痛くなり立てなくなる。
受傷日より2日後 近所の整形で注射。
受傷日より4日後 他の整形で坐骨神経痛といわれ薬をもらっている。
その間、整体へ行き(10回位)骨盤矯正しかし、痛み、痺れ、後屈ができず前屈位のままになってしまった。
受傷日より15日後当院に来院
初診、今は片足(右足)をひきずりながら歩けるが、腰、右下肢の痺れ(大腿内側、下腿内外側の痺れ)、前屈位になってしまっていて体を起こすことが出来ない状態でした。
治療法
※椎間板の矯正を正しく行いました。
最初はベッドに腹臥位になれず、椎間板の矯正をしながら“DS(低周波治療器、末梢神経マヒなどに効果がある)”“MIX(アクロトーンと超音波を合わせたもの)”で処置いたしました。
※腰から足底まで走行している神経の処置をアクロトーンと超音波で神経の伝達と神経の伝達物質を作り出す。
LIに導子を置き 梨状筋下孔(坐骨神経出口)
上臀神経出口
膝上7cm
その下の総腓骨神経
脛骨神経
足底
足背へ“DS(神経の流れの改善にすぐれている治療器です)”で処置
MIX(アクロトーンと超音波を合わせたもの)は、いつも研究会で行っている通りです。
治療後
痺れは残っていましたが、真直ぐに立てるようになりました。これにより、椎間板がだいぶいい位置におさまったようです。
右の下肢が外旋してしまっていましたので、立位、歩行、日常の生活動作の指導
(下の物の取り方、かがみ方、仕事の仕方、お風呂の入り方)など指導しました。
受傷日より16日後、当院の治療2回目
昨日の治療後、かなり楽になり、仕事をしてしまった。その後痛くなる。今日の朝は仰臥位でまっすぐに眠れた。体も真直ぐになった。
受傷日より17日後、当院の治療3回目
夜の痛みあり。昼は楽だった。
受傷日より19日後、当院の治療4回目
仕事がどうしても前屈位になってしまう。
ベッドで治療のための姿勢をちゃんととれるようになり、椎間板自体がだいぶおちついてきたようでした。
大腿内側~大腿前部の痛みもあり、MIXで大腿神経も追加(仰臥位で)。
まだ痺れはあったが、治療後はかなり楽になる。
仕事をすると、下腿内外側が痛くなってしまう、(全体的に筋肉もおちてきているようです。)
受傷日より20日後
痺れはだいぶ良い。
受傷日より約3週間後
最初に指導した体操と違う体操を指導。だいぶ良くなってきたので体操の強度を上げて椎間板をおちつかせる。
受傷日より25日後
MIXの時、バストマットを使用できました。今日より牽引を行いました。
受傷日より約1ヶ月
下肢の外旋がまだみられ、この影響で腰にも影響が出るので体操再指導。仕事上どうにもこのような姿勢をしてしまうそうです。
受傷日より1ヶ月過
痺れはだいぶ良い。筋肉が弱くなっているので体操をしっかり行うこと。
仕事で忙しいと痛くなるがほとんど気にならなくなっている。
まだ右の下肢が外旋してしまっている。
現在 痺れはほとんど良くなリ、下肢の動きに注意しながら仕事をしています。
83歳 女性
筋力の低下著しく、円背、杖をついて歩行しています。
症 状
コタツに座っていると痛くて座っていられない。背中を真直ぐにしようとすると痛くてしょうがない。
左右の膝が屈曲拘縮(右膝の方が痛みと拘縮が強い。)膝を曲げて座れない。
2年前に整形で腰の骨が歪んでいるので痛いと言われる。時々肩こりがある。
座っている状態から立つ時に両股関節前部が痛く、体が伸びない。股関節も弱く伸びないよう。両膝の痛み、屈曲拘縮があり、両下肢は外旋している。
体重も均等にかけられないので、腰や背部、肩まで痛くなってしまう。
治療法
超音波と低周波の合わせた治療機で背部上部より足底部まで。
またアクロトーンで各脊椎横突起下部を押さえていく。
最初はベッドに腹臥位になれず、椎間板の矯正をしながら“DS(低周波治療器、末梢神経マヒなどに効果がある)”“MIX(アクロトーンと超音波を合わせたもの)”で処置いたしました。
MIX(アクロトーンと超音波を合わせたもの)で、脊柱の自律神経、知覚神経、運動神経および足の裏までの神経の流れをよくするようにしました。
治療後
「あまり体操を指導されても覚えられない。」と言うことと、背中など(腰も)を伸ばすには膝が伸びないとダメだと思い、まず2週間、膝の屈曲拘縮をとる為の体操、腹筋、背筋の運動、股関節の運動。(大腿四頭筋運動)立位、歩行指導。
この時点で2週間位たって、体力面、体調の具合で腰の体操を指導する予定でした。
来院後5日目
〇脚気味なので、その矯正の運動。筋肉が弱いので、背中の骨のならびが悪く、あまり伸ばし過ぎないようにする事。
来院後5週間位
夜の痛みあり。昼は楽だった。
受傷日より19日後、当院の治療4回目
背中が真直ぐになってきた。(ただ気を抜いたり、力を緩めると曲がってしまう。)
筋肉が弱くなってしまっているので長時間の座位で痛くなります。
来院後1ヶ月位
杖が低いので高くして貰いました。
来院後3ヶ月位
膝も伸びて日常動作も早くなってきました。この後、筋肉の体操をしっかりやっています。
68歳 女性
東京より通院
以前 右肩~指先まで。特に肘~末梢部が重くなる。
近所の治療所で治療。マッサージなど、右肩、上腕、前腕を施術して貰っていました。左も同じようになり、整形を勧められました。
整形でXP 頚椎に異常があると言われ頚の牽引、投薬での処置。
糖尿があったので、病院に検査入院。
平成18年2月10日~2週間位。HbAIC正常値4.0~6.0。
以前は7.0だったが今は6.0以下になっている。
異常なしでリハビリ科にまわされる。検査入院後両足のむくみ。
当院来院時
両膝が痛み歩くのがつらく、足首も痛む。冷房に入ると全身が痛くなる。
寒さをすごく感じる。手を開排できず、力が入らず、タオルを握れない。ペットボトルなどを開けられない。着替えや体位変換も大変。
ベッドはウォーターベッド。プールに入って週3回歩くだけだが、その後暖まってくるが、すぐ痛くなる。マッサージをしたり、針灸はその時は良いが寝ていて夜中に痛くなり戻ってしまう。右眼が良く見えないので、左で見る為、頚に無理がかかってしまう。
寝ていて左を向くと痛む。ちゃんと起き上がれない。めまいがする。(自律神経といわれている。)
頚に段がついてしまっている。(C5、6あたりに)右眼がなぜか(本人にもわからず)見えなくなってしまったので、片目で見ている為どうしても頚が傾いてしまっているよう。
両肘の屈伸が出来ず、痺れ、めまいもあり。
指導内容
両膝の痛み、両下肢のむくみがあり、全身症状を考え、プール、歩行は、中止してもらい、体幹の力をつける体操、姿勢の指導(立ち方、歩き方も)3ヶ月くらいはしっかり治療することと言っておきました。自律神経やリンパの働きを良くする為、日常生活の生活指導を行いました。
治療
“DS(神経の流れの改善にすぐれている治療器です)”でC3(後頭部)~TH2、3
頚からの流れをよくする為、(頭の命令系も)後頭神経、迷走神経、頚(C3部)・腕神経叢、副神経、上腕下部、前腕部、手関節(掌背部)。
次いで、TH12、L1にとって、坐骨神経出口、上臀神経部、膝上7cm、総腓骨神経部、脛骨神経、足底、足背部。MIXで、C3~S4までPen、超音波導子で“DS”と同じように仰臥位で、上頚神経節(腹臥位などでも)。迷走、頚・腕神経叢、星状神経節など。
治療後
両手首の力は入りづらいが、痺れは少し良いよう。だいぶ歩きやすくなったようでした。
当院治療より4日後
〇脚気味なので、その矯正の運動。筋肉が弱いので、背中の骨のならびが悪く、あまり伸ばし過ぎないようにする事。
来院後5週間位
歩かなかったり、プールの休会届けを提出したそうです。
当院治療より6日後
痺れはあまり感じなくなり、めまいもなくなる。頚も伸びてきたようです。帰りはスイスイ動けるよう。
手の指も屈伸が楽にできるようになり、お財布からお金を取り出せなかったが、お財布を開けたり閉じたり出来るようになりました。
当院治療より約2週間後
頚椎の炎症と骨の横を通っている血管が狭くなっている。薬を4種類だされる。朝、体が動かない。
茶碗を洗っていても落としてしまう。病院の検査でも握力がないといわれる。手術はしないで血流を良くすると言うこと。
当院治療より約3週間後
ウォーターベッドを辞めて、普通のベッドにする。
当院治療より約1ヶ月後
左手がつける様になり、足のむくみ、痺れも良くなる。体位変換もだいぶ出来るようになりました。
階段も一歩一歩歩けるような感じ。握力も出てくる。周りの人が、電話でも明るい声と言われる。
当院治療より約45日後
仕事場の人や病院でもずいぶん元気になったと言われる。肩も良くなり、手が挙上できる様になる。
当院治療より約2ヶ月後
走り出したいような気分になっている。手指を使って細かい動作が出来る様になる。握力もだいぶ出てきたよう。
頚も亀みたいだったが、真直ぐに伸びている。
最初は、1日おき、その後だいぶよくなってきたので1週間に1日程度になっていました。
診療で考えてたこと
1)頭の命令系の流れを良くする事
2)体のねじれ(頸部や股関節部など)正常位に戻し、神経や血管の絞扼を取り除いていくこと。
3)神経や血液の流れを良くする事。
4)頸部交感神経節、胸部交感神経節、腰部交感神経節などをしっかり狙ってあげることを考えました。
(一部抜粋)